結婚の不安、キャリアプランの不安、女性が働くということ
「働く女性」という言葉を聞くと、どんな人物を連想しますか? ビジネスの最前線で、順調にキャリアを積み重ねている女性、でしょうか? あるいは家庭と仕事を両立しながら、充実した生活を送っている女性でしょうか? この言葉はメディアでも特集を組まれるほど象徴的な存在になってしまいました。でも実際働いている女性を、ひとくくりになんてできるはずがありません。
テレビや雑誌で取り上げられる女性は、企業のトップだったり、大きなプロジェクトに関わっていたりする、とても優秀な人物ばかりです。当然、仕事に対する覚悟や情熱にはすさまじいものがあります。でも、こんな人は全体のほんの一握り。多くの女性はキャリアと私生活のバランスの取り方で苦労していると思います。
こうした華やかな女性が取り上げられると、「キャリアプランを持って行動しなくちゃいけないんだ」「やっぱり資格を取らなくちゃ」「でも、キャリアアップには興味が持てないし、こんなに仕事もできない。私はダメなんだな...」と比較してしまいがちですが、そんな必要はまったくありません。私は職業柄、「5年後10年後のなりたい自分に向かって計画をたてましょう」や「ステップを意識して仕事をしましょう」と言い続けてきましたが、仕事で一番大切なのは、毎日職場に行くのが楽しい、ということだと思っています。そのための近道として、こうしたアドバイスを続けてきました。ですがそれは、「会社で偉くなりたいとは思わない。仕事はちゃんとしたいし、やりがいもほしいけれど、キャリアアップという言葉にはぴんとこない」という人を否定するものではありません。
女性には結婚や出産という大きな節目がある分、迷いや不安があるのは当然です。一昔前は「女は結婚して家庭に入るもの」と決まっていましたが、今は「もしかしたら一生結婚しないかもしれないな」と感じている人も多いでしょう。そうすると、年金問題が騒がれて以降、老後のことも考えてしっかり貯蓄しなければ、と焦る気持ちも生まれますよね。「特別なスキルがなくても、一生仕事が続けられるだろうか」「今のお給料で貯蓄ができるだろうか」本当に悩みは尽きません。
不安は考えれば考えるほど増殖します。考えないことは無理でしょうが、考えすぎは避けましょう。私の知り合いで、40歳目前の女性がいます。彼女は「一生ひとりかもな」と漠然と考えているようです。いわゆる一般職なので、就職に有利な経験や資格があるわけでもありません。ですが、一緒に仕事をしていて、とても気持ちのいい人物です。いつもにこやかで、対応力があり、私の無理難題にも挑戦してくれ、できない時にはなぜできないかを丁寧に教えてくれます。プライベートも充実していて、多くの友達に囲まれています。彼女にも多くの不安や悩みがあるはずです。それでも、それにとらわれることなく、マイペースに人生を楽しんでいる。どんなスタイルで働く女性でも、これが一番幸せな人生に近づく秘訣なのではないでしょうか。
