仕事と人間関係
職場の全員と良好な人間関係が築ける人というのは、まず見たことがありません。よっぽどのことがない限り、候補者や登録者に「嫌い」「苦手」という感情を持たないよう訓練してきている私でも、身近な職場ではどうしても好き嫌いという感情が生まれます。表面上は「ビジネスの場に好き嫌いという感情は必要ない」と考えていても、やはり気持ちはルールで縛ることはできません。もちろん、「この人苦手だな」と思っても、それでビジネスに支障をきたすようなことは絶対にしませんが。
実は、この部分こそが大切なのです。「嫌いな人を好きになる」必要は全くありません。「嫌いな人だけど、一緒にビジネスをする」だけでいいのです。ビジネスは私生活ではありませんから、休日に電話をすることも、一緒に旅行に行くこともありません。仕事さえきちんとしていれば、「人間的には苦手だけれど、仕事は信頼できる」という、ビジネスでしか在り得ない少し不思議な信頼関係が築けます。
とはいえ、相手側にその気がないと大変ですね。会議で言いがかりをつけてくる、あげ足を取られる、ちょっとしたミスを大げさに言い立てる、そんな嫌な人に苦労している人も、いるのではないでしょうか。これが同僚ならまだしも、上司だと悲劇です。なんせそんな人にボーナスや昇給の査定をされるのですから、納得できるわけがありません。
こういう険悪な関係は、実は些細な勘違いから始まって、どんどんマイナスの方向に進んでいってしまったケースが殆どです。お互いに「嫌い」どころか「憎い」というレベルまで悪化していれば、修復の可能性は殆どありません。こうなると、大抵の人は転職を考えます。それはつまり、相手も転職を考えているということです。「あの人はとても辞めそうにない」と思っても、ある日突然退職届を出すことがあるのです。それ以外でも、異動という可能性があります。ずっと同じポジションに居るということは、自分も相手も、そうそうあることではありません。後になって「もう少し我慢してれば、状況は変わったんだな」と後悔する人は大勢います。人間関係は、特にストレスが溜まるものですが、ほんの少し時間が経てば変わるかもしれない、その可能性を信じてみるのもいいと思いますよ。
