入社後に信頼されるための必須条件
新入社員Aさんについての会話
上司「仕事の飲み込みは早いようだな」
先輩「うーん、まあ、ちょっとアラが目立ちますけどね」
上司「そういえば、時々遅刻しているな。数分のことだから、あまりうるさく言わないようにしてるが、一度はっきりと指導したほうがいいだろうな」
先輩「時間にはルーズですね。顧客訪問に、外で待ち合わせたことがあるんですが、約束の時間に来なくて焦りました。顧客にはどちらが遅刻したかなんて、関係ないですからね」
上司「それは問題だな、まだまだ独り立ちさせられないな」
先輩「器用に仕事をするのは、いい点なんですけどね。書類の書き方もすぐ覚えましたよ」
上司「でもミスがある。それに、こちらが聞くまで、状況の報告をしてこないんだ」
先輩「今まで、そういう仕事のやり方を経験してないんですよ」
上司「新人のうちは、細かいことも報告して来いと何度も言ってるんだが」
先輩「放っておいたら、小さなミスからとんでもない事件を引き起こすタイプかもしれませんね」
新入社員Bさんについての会話
上司「仕事の飲み込みは遅いようだな」
先輩「残念ながら、そうですね。でも真面目ですよ」
上司「朝もだいぶ早く来ているようだな。電車が止まった時も、あいつだけ始業前に来てたぞ」
先輩「真面目なんですよ。細かいこともいちいち確認に来ますからね」
上司「報告も細かくて長い。要点をまとめられないんだ」
先輩「はやく要領を得てもらわないと、こっちの仕事が増えて困ります。本人も焦ってるみたいですけど、どうしていいのかわからないんでしょうね」
上司「多少時間がかかっても、一人前になってくれれば、それでいい。真面目さが顧客に伝われば、信頼関係も築けるだろう。どうすれば、要領を得てくれるだろう...」
実はこの「先輩」は私です。私の後輩にあたる、二人の新入社員について、実際に行われた会話です。
Aさんは猪突猛進タイプ、Bさんは石橋を叩いても渡らないタイプでした。
営業マンの素養としては、Aさんのほうがはるかに高く、また実際に数字はぐんぐんと伸びました。そして同時にクレームの数もうなぎのぼりだったのです。Bさんの数字はなかなか伸びず、本人は数年悩むことになります。
私ははじめの頃から、Aさんではなく、Bさんを信頼していました。特に人材ビジネスでは、真面目さ、誠実さ、そして正確さはとても重要です。やみくもに突き進んでは、人を傷つけてしまうことが多くなります。繊細さを持つBさんにこそ人材ビジネスに携わって欲しいと私は思いました。
出来ないことは、誰にでもあります。それでもやけにならず、こつこつ努力をする姿を、周囲は必ず見ています。ただひとつ、Bさんに対して不満に思っていたのは、「なんでもすぐに聞きに来る」という点です。例えばIT技術に関する新しい言葉や概念など、一度も自分で調べずに聞きに来るのには弱りました。わからないことを質問するのはいいのです。その前に、自分で出来る範囲は自分で解決するという機転がBさんには欠けていましたね。
