キャリアウーマンに学ぶリスク管理
これは、私の取引先の担当者から聞いたお話です。
彼女は既婚者。全力で仕事に打ち込む、いわゆる「キャリアウーマン」です。平日の帰宅は深夜になり、家事は週末にまとめてやる、というハードな生活をされていました。結婚しているから、という配慮はされたくないらしく、誰よりも熱心な上、自分の仕事には手出しされたくない、と思っていました。ところがある日、パートナーが急病で倒れ、彼女も病院へ駆けつけることになりました。混乱したのは彼女の職場のメンバーだったそうです。彼女が作っているデータも、決済しなければならない書類も、どこにあるのか全く分からなかったそうなのです。メンバーはできる限り彼女をフォローしようとしたのですが、何から手をつけていいのかわからず、右往左往するばかりだったとか。
「その時にわかったんです。自分の仕事は、自分だけがわかればいい、というものじゃないって。誰の手助けも必要ないと思っていたけれど、それが職場の迷惑になっていたんです」
以後、彼女はデータを公開し、誰もが一目見てわかるようにファイルを作り直したそうです。
これは既婚者でなくても、男性も女性も関係なく、誰にでも起こりうることです。仕事をする以上、自分の仕事がすぐに誰にでも渡せるように整理しておくのは、ビジネスマンとしての常識だと私は思います。特に、お子さんがいる場合は、どうしても突発的に休まなければならないことがあります。これは、気に病むことでも後ろめたく思うことでもありません。少子化に悲鳴を上げる日本、誰の子供でも、大人が全員協力して育てる環境を整えるべきなのです。ですから、周囲の力を借りることを、悪いことだと考えないでください。あなたがしなければいけないことは、突然出社できない日があっても困らないよう、準備することなのです。
書類はわかりやすく分類しましょう。データは共有サーバに保存してください。公開できないデータはパスワードをかけ、万一の時は課内の人に伝えて代行してもらいましょう。
もし子供の通う幼稚園で風邪が流行っているなど、急に休む可能性が高まってきたなら、翌日処理すべき仕事をメモに残す習慣をつけましょう。朝、電話で誰かに、そのメモに沿って作業をお願いできればスムーズですし、うっかり伝え忘れてしまうことも防げます。
